「丘マ」第壱話台本
〇原作・脚本…ろぉい(本企画主催)
〇登場キャラ数…男2:不問2
〇ジャンル…シリアス&コメディ
〇セリフ数…303
〇目安時間…30分
〇利用規約
【台本の利用】
・台本を使用する利用者は、必ずURL(http://okamargaret.web.fc2.com/)とタイトル名(「丘の上の旅館には、綺麗なマーガレットの花が咲いているらしい。」又は「丘マ」)を常に第三者が見ることのできる場所に記載すること。(記載する場所が存在しない場合のみ、劇前または劇後での配布元名の告知でも構いません)
・個人で金銭の利益を生まない生放送等での使用は、配布元の名前及びURLを記載していれば管理者に許可を取る必要はありません。(記載していない場合、無断使用として処理する場合がございます)
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【禁止事項】
本サイトは、利用者が以下の行為を行うことを禁じます。
・「丘マ」企画における本キャストの誹謗中傷
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・台本の一部抜粋、コピー、過度なセリフ変更、台本の一部カット、落ちの無断変更

【規約改訂】
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〇原作・脚本…ろぉい(本企画主催)
〇登場キャラ数…男2:不問2
〇ジャンル…シリアス&コメディ
〇セリフ数…303
〇目安時間…30分
〇利用規約
【まとめ】
☆URLとタイトル名を必ず載せること!(宣伝もしてくれたらめちゃくちゃ喜びます…!)
☆台本を勝手に変えないこと!
☆本企画のキャストさんを尊重すること!
〇企画紹介…只今Twitterのフォロワー数100人を目指しております!よければフォローをよろしくお願い致しますm(__)m( @okama_kousiki )




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〇登場人物

美扇(みおう) オカマ。26歳。江戸の町で旅館を営んでいる。美人である。性別こそ男だが、品があり、仕草や佇まいは女性そのものである。『オカマ』と呼ばれるのは嫌。男性。

良太(りょうた) 少年。13歳。身寄りがなく、約二年にわたり逃亡生活をしてきた。以前、大切な人に裏切られた経験があり、大人のことを信用できなくなってしまった。借金取りに追われている。不問。

石狩 賢治(いしかり けんじ) 実は19歳。良太を追っている借金取り。非情。ヤンキーっぽい。男性。

手下(てした) 石狩賢治の手下。下っ端のヤンキーっぽい。不問。


〇世界観
架空の江戸。洋服を着ている人もいれば、着物を着ている人もいる。電子機器がある。

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〇丘マ台本

『第壱話 出会い』





説明:雨の音が降りしきる中、江戸の町を彷徨う少年。そんな少年の回想から、物語は始まる。



01良太:此処は、何処だろう。腹、減ったな。足も、もう感覚がないや。歩き続けてどれぐらい経ったっけ。

…あれ、俺、何してんだっけ。何のために、歩いてんだっけ。……ああ、なんだか、眠くなってきたな…。…だれ、か…



SE:倒れる

SE:誰かの足音が聞こえてくる



02美扇:…アラ?



03良太(タイトルコール、シリアスめに):丘の上の旅館には、綺麗なマーガレットの花が咲いているらしい。第壱話、『出会い』



SE:場面転換
BGM:かっこいい疾走感のある曲

04美扇:昔々、ある江戸の街のはずれに『美扇』とよばれる旅館の女将がおったそうな。女将は明るく、仕事もできる上に人付き合いも難なくこなすといった、
なんとも出来た人間だった。しかし!その女将は一つだけ、みなと違う決定的な欠点があった。
女将というには随分と低い声、広い肩幅、ゴツゴツとした手、筋肉質な腕…。そう。その女将は『男』だったのだ!

SE:ドドン

05良太:さてその女将と先ほどの死にかけの少年。女将はお気楽、少年は大人嫌いときた!物語は女将『美扇』に拾われた少年が目をさますところからはじまりまする!
正反対な2人が出会いこれから何が起きるのか!いざ!始まりと相成ります!


06美扇:丘マ!


(回想に入る)
BGM:火の燃える音
07良太(幼少期):お母さん!どこにいるの!?お母さん!お母さ…うわぁっ!

SE:転ぶが、再び走り出す

08良太(幼少期):…っ嫌だ!嫌だよ、僕を1人にしないで!誰か、誰か返事をしてよ!……誰かぁっ…!
(回想終わり)

09良太:誰かっ!…!?…どこだ?ここ…。確か、俺、雨の中で倒れて…
10美扇:気が…ついたの、かい?
11良太:ッ!?誰だ!
12美扇:っはあ〜っ!!よかった、一時はどうなるかと…
13良太:…なんの、ことだ!?
14美扇:お前さんね、昨日一昨日と高熱フィーバーだったのよ!おまけに全身傷だらけで、看病するの大変だったわよ!

SE:良太に近付く

15良太:く、来るな!
16美扇:おまえさんの包帯を変えるだけだよ、そんなに怯えなさんな
17良太:やめろ!それ以上近づいたら…!?痛(つ)ぅッ………!
18美扇:あー、動かない方がいいわよ。まだアンタの身体、完治したわけじゃないんだから。大丈夫、そんなに怯えなくても何もしないわ。包帯、変えさせてくれない?
19良太:(痛みに耐えながら)大人の言うことなんて、信用、できるか…!
20美扇:疑り深いのねぇ…まあ、看病の邪魔をするって言うなら、何もしないというか…『ナニ』はするかもしれないけど
21良太:余計信用できるかっ!


22良太:丘マ


23良太:で。お前はなんなんだよ。
24美扇:なんなんだよって…通りすがりの女将よ!
25良太:女将?
26美扇:ええ!ここいらじゃ美人な若女将として有名なのよ?み・お・うって呼んでね。はいっ、繰り返して!み・お・う!
27良太:…?
28美扇:なによ?その顔
29良太:女将って普通、女がなるもんじゃないのか?
30美扇:は?
31良太:え?…いや、お前、男だろ?
32美扇:…は?(お前何言ってんの?という顔で)
33良太:えっ?お前、男だよな?手とかゴツゴツしてるし、声だって
34美扇:うるせえええ!!
35良太:ええ!?
36美扇:男とか女とか今関係なくない!?アタシが女将って言ったら女将なの!わかった!?
37良太:…
38美扇:…
39良太:いや、うん。で?
40美扇:え?
41良太:結局、お前はなんなんだよ?男?女?
42美扇:男であって、女でない…みたいな?
43良太:…!お前っ…オカマか!
44美扇:オッ…!?ちょっと待って!その呼び方は嫌!
45良太:そうか、オカマか…
46美扇:やめてよ!


47良太:丘マ


SE:美扇は料理をしている。

48良太:で。オカ…お前は何が目的なんだ?
49美扇:目的って?…しょうがあったかしら
50良太:…何で俺を助けた
51美扇:なんでって…子供が目の前で倒れたから、助けたまでよ。良かったわね、アタシがたまたま あそこを通りかかって!(SE:味噌汁をすする)…味噌が足りないわね
52良太:…大人が、なんの理由もなしに俺を助ける…?…信用できねえ。
53美扇:疑り深いわね
54良太:はっ!もしかして俺を人飼いに売るつもりなのか?そうなんだろ!
55美扇:そんな物騒なことしないわよ!
56良太:嘘だ!信用できねえ
57美扇:…アンタねえ
58良太:『特に』、お前は信用ならねえんだよ
59美扇:…なんで?『大人』だから?
60良太:いや。オカマだから

SE:頭を叩く

61良太:ってぇ…!なんなんだ、このオカマ!
62美扇:オカマって言うんじゃないわよ!『お姉さん』って呼びなさい!
63良太:お姉さんって…誰が呼ぶかよ

SE:頭を叩く

64良太:いだっ!なんで叩くんだよ!このっ…オカマ野郎!
65美扇:んまっ!この子ったら2度も!
66良太:本当のことを言って何が悪い!こんの「オ・カ・マ」!!

SE:腹に一発

67良太:ぐはあっ!
68美扇:…次変なこと言ったら、鳩尾(みぞおち)にキメるわよ


69美扇:丘マ


70美扇:で?アンタはなんで倒れてたんだい?
71良太:…ケッ
72美扇:普通だったら、よっぽどのことがない限り、行き倒れなんてしないはずよね
73良太:…
74美扇:おまけにその傷の量。顔の痣。腕の切り傷。普通に生活をしていたら、つかないはずのものばっかりよね
75良太:…(舌打ち)
76美扇:アンタ。なにがあったんだい
77良太:…お前には、関係無えだろ
78美扇:話しな。何があったんだい
79良太:何でお前に話さなきゃいけねえんだよ
80美扇:(溜息)。何か、勘違いしてないかい?
81良太:何がだ?
82美扇:アタシはここの『経営者』。アンタは死にそうなところを助けてもらった『お客』。わかる?
83良太:?それがどうし…

84美扇:いいかい、よく聞きな!ここの旅館の一泊の宿泊費は5万円!アンタは今日を含めて3日間泊まってるわよね?ここで既に15万!
85良太:!?15万!?
86美扇:更にアンタの看病の為に使った薬含む医療費で2万!
87良太:に、2万…!
88美扇:そのほかにも、アンタを看病する為に使った諸費用諸々を込めると…そうね、大体相場は20万ってところね
89良太:にじゅっ…!?そ、そんなの払えな…
90美扇:だろう?だからアンタは、アタシに頭があがらないはずなのさ
91良太:お、おれ…
92美扇:さ、20万を今すぐ支払うか、大人しく洗いざらい話すか、どっちがいい?
93良太:…………………(しばらく葛藤)……………………。っは、話すよ……
94美扇:いい子ね

95良太:丘マ

96良太:その、まあ、…なんていうか、俺、追われてるんだ。
97美扇:追われてる?
98良太:…借金取りから、逃げてきたんだよ。俺じゃあどうにも支払える額じゃねえし、このままじゃ殺されかねねぇから…逃げてきた。
99美扇:周りに、助けてくれる人はいなかったのかい?
100良太:そんなのいる訳ねえよ。…俺の村は貧乏で、村を国に焼かれちまったんだ。税金がちゃんと払えなかったから…。母さんも、村の人達も、そんとき、みんな…。
101美扇:それって、いくつの時だい?
102良太:多分、2・3年前くらいのことだから、俺が10歳の時だったと思う。
103美扇:…まだ、子供じゃないか
104良太:それがどうした。今の世の中じゃあ、子供も大人も関係ねえだろ
105美扇:アタシは、そうは思わないけどね
106良太:そうかよ
107美扇:…寂しくは、ないのかい
108良太:…どういうことだ?
109美扇:そのまんまの意味さ。
110良太:馬鹿にしてるのか?
111美扇:まさか!
112良太:…同情ならいらねえからな。お前みたいなやつから同情されんのが、一番腹がたつ
113美扇:へえ、そうかい

114美扇:…よし!できた!アンタ、腹は減ってないかい?
115良太:腹?別に、減ってなんか…

SE:腹のなる音

116良太:…っ!
117美扇:カラダは正直ね?待ってなさい、今料理を
118良太:っいらねえよ!
119美扇:なんでよ?
120良太:…大人の作る飯なんか、信用…できねえ!
121美扇:ほんっと疑り深いのねぇ


122美扇:丘マ


SE:どこかと通信をしていて
123石狩:こちら、ガキ見つけ隊リーダー・石狩っす。随分と高い丘まで登って来たっすけど…なかなか見つからないっす。…も、申し訳ありません!
すぐに見つけまっす!…それで、戦略の方はどうしましょう、ボス。…ヘイ、ヘイ。了解っす。探索、 続けます。
124手下:リーダー!ボスはなんて?
125石狩:引き続きここら一帯を探せとのことだ!
126手下:ウッス!
127石狩:逃さねえぞ、あのガキめ…!


128良太:丘マ


129美扇:たーべーなーさーいー!
130良太:いーやーだ!!
131美扇:どうして!食べないのよ!
132良太:いらねえからだよ!

SE:腹鳴る

133美扇:お腹鳴ってんじゃない!遠慮しないで!ほら!
134良太:やめろ、このっ…オカマ野郎!
135美扇:オカマ!?今オカマってよんだわね!?
136良太:ああ言ったぜ!このクソオカマ!
137美扇:カッチーン!もう頭にきたわ。そこになおりなさい
138良太:な、なにする気だよ
139美扇:なにって…ナニ?
140良太:助けてー!!オカマが!!オカマが幼気な少年に手を出そうとしてます!!
141美扇:オカマって言わないで!!お姉さんと呼びなさい!!
142良太:オカマが!!オカマが!!
143美扇:オカマ言うな!!

SE:頭叩く

144良太:あでっ!何すんだ、このオカマ野郎!
145美扇:それ以上言ったら、本当にナニるわよ
146良太:ヒッ…


147手下:あそこの旅館…なんだか騒がしいですね
148石狩:ああ。ここの街で有名なオカマな女将が経営してる旅館だろう?物好きなやつもいるもんだ。ほっとけ。
149手下:でも、リーダー。あそこの声、なんだか、あのガキの声も混じってませんか?
150石狩:本当か!?
151手下:間違いありません!あのガキの声です!
152石狩:フン!案外早く見つかったな
153手下:早速、旅館に向かいましょう!


154石狩:丘マ


155良太:お前、本当に何が目的なんだよ
156美扇:なにがだい?
157良太:同情だったとしても…こんな死にかけのガキ助けて、手当てして、飯まで食わそうとして…。そんな無駄なエネルギー、どっから湧いてくるんだよ
158美扇:ううん…特に理由はないけど
159良太:ねえのかよ
160美扇:あえて言うなら、「放っとけなかった」。それだけよ?
161良太:…それって、やっぱり、同情か
162美扇:アンタがそう思うなら、そうなんでしょうよ?
163良太:…はぁ。…俺、お前みたいな奴、嫌いだ
163美扇:ふん。そうかい

164良太:……もう、お前みたいなやつに構ってられるか。…世話になったな。俺、もう行くわ。じゃあな
165美扇:え?なんで?
166良太:なんでって…こんなとこに居ても何も始まんねえしな。それに、早く逃げないと、じきに借金取りが追って来る。
167美扇:怪我、治りきってないのにかい?ここに泊まってけばいいのに

説明:突如、旅館の外から大きな声が聞こえてくる。
168石狩:たのもーーーー!!!!

169良太:うわっ!?
170美扇:!?何事だい!

171石狩:ここの旅館の経営者に告ぐ!今すぐ隣にいるガキを差し出せ!じゃねえとこの旅館、焼き払っちゃうぞ〜!

172良太:ま、まさか…
173美扇:ちょっと!なにこれ?!誰!?
174良太:あいつら…!

175石狩:10数えるまでに出てこい!じゃねえとまじホントにぶっ殺すぞ!ああんコラァ!!

176美扇:うわなんかめっちゃヤンキーっぽい!!ちょっと!あいつなんなの!?
177良太:…さっき話した、俺を追ってる借金取りだ。
178美扇:まじか!!
179良太:絶対にまいたと思ってたのに…!

180石狩:遅え!!早く出てきて、ガキを渡せってんだ!おるぁ!

SE:戸をぶち破る

181良太:うわあっ!げ、玄関の戸が蹴り飛ばされた!
182美扇:ほげえっ!
183良太:!?おい、オカマ!どうした!
184美扇:戸、戸が顔面にヒット…し…(ガクッ)
185良太:おい、オカマ!大丈夫か!?くそ、おい、オカマ!起きろ!オカマ!

SE:石狩・モブの足音

186石狩:あー、ど〜も〜、お邪魔しま〜す
187手下:おっじゃましま〜す!
188良太:てめえら…!
189手下:久しぶりだなあ、会いたかったぜえ!
190良太:っ…!
191石狩:てめえの母さんの借金、返してもらいに来たぜ!
192良太:
193石狩:お前さあ。ナァニ逃げちゃってくれてんのォ?探すの大変だったんだけどさぁ
194良太:く、るな
195石狩:困るんだよなあ?金返してもらわねえと!業者に損害が出ちまったら、俺が怒られるんだよ!
196良太:…っ、…もう、勘弁してくれよ!
197石狩:ああ?
198良太:見ての通り、俺、もう、一銭も持ってないんだよ
199石狩:それがどうし
200良太:もう少し待ってくれっ…一生かかっても、ちゃんと…少しずつ、返していく!だから今は…ッ見逃してくれ…ッ!
201石狩:…
202良太:お願いだ…!今は、いまだけは、勘弁してくれよ…!
203石狩:はぁ。…しょうがねえなぁ。
204良太:…?
205石狩:金。持ってないなら、もう取り立てる意味もねえしなあ。
206良太:っじゃあ!

SE:銃を突きつける

207石狩:いま決めた。殺すわ。
208良太:………え?
209石狩:お前殺して、臓器とか売るわ。それで金はなんとかなんだろ。

SE:引き金を引く

210石狩:ついさっき怒られたばっかりなんだよなぁ。「ガキから金巻きあげんのに何ヶ月かかるんだ」ってよ。俺たちのボス怖えからさ、これ以上ヘマするなんてこと…したくねえんだわ。
211手下:ビンボーな村に生まれた運命ってやつだな、カワイソー
212良太:…!
213手下:そういえば、今のお前も十分無様だけど、お前の母さんもなかなかだったよなあ。泣いて縋り付いて、『お金を貸してください!子供がいるんです!
必ず、一生働いて返しますから!』なんつってよ。今のお前みたいだな。ま、その次の日には、そいつの村焼かれてたけどな
214良太:っ…!おまえっ!
215手下:あ?
216良太:母さんを、母さんを馬鹿にするな!!

SE:掴みかかり

217手下:うおっ!
218良太:なにも知らないくせに!なにも知らないくせに!
219手下:離せ!
220良太:ぐっ!
221手下:このガキ…!
222石狩:待て。
223手下:リーダー!
224石狩:ガキ相手にムキになんなよ?かっこわりぃ!
225手下:…くそっ!
226石狩:まあ。なんだ。…そういうことだから。恨むなら、母さんを恨むんだな

SE:銃を突き付けて

227石狩:じゃあな?

SE:打つ

228良太:っ…!!………あれ?

SE:銃を落とす

229石狩:っぐうう…っ!?な、なんだぁ?!う、腕が…!
230美扇:なってないわ。
231石狩:誰だ!?

SE:足音

232美扇:物騒なもの持っちゃって…。没収

SE:銃拾う

233石狩:俺の銃!おい、返せ!
234美扇:返せって言われて返す馬鹿がどこにいるんだい
235良太:お、まえ…
236美扇:あぁ、玄関の戸がボロボロ…!アンタかい!?アタシの旅館の玄関の戸をぶっ壊したやつは
237石狩:…そうだけど?なんか文句でもあんのかよ
238美扇:大アリよ、この鳥頭!
239石狩:鳥あたっ…!?…てめぇ、いい度胸してんじゃねえか、ああ!?
240良太:おい、オカマ!
241美扇:そっちこそ!アタシの旅館に土足で上がりこむなんて…相当な「馬鹿」とみたわ
242石狩:ばっ………お前、それ以上言ったらただじゃおかねえぞ!?
243良太:オカマ!やめとけって
244美扇:よく鳴く鳥だこと。…やれるもんなら、やってみなさいよ!
245石狩:こんの……舐めんじゃねえ!やっちまえ!
246手下:おう!

SE:攻撃を止める

247石狩:はっ…!?
248良太:と、とめた…!
249美扇:まだまだ修行が、足りないわね!ハッ!

SE:殴る

250手下:ぐえっ!
251石狩:おまえら!こんの
252美扇:遅い!

SE:殴る

253石狩:があっ!
254美扇:ハッ。言うまでもないわ
255良太:なんだこいつ…!強え…!
256石狩:…ッお前、何もんだ!?
257美扇:…アタシかい?…アタシは、丘野上旅館の女将、美扇さ!

SE:ドドン!

258石狩:っ…!
259美扇:…アンタらのボスに伝えときな。この子は渡さないってね!
260良太:はっ…?
261石狩:っ…!退くぞ!
262手下:お、覚えてろよ!

SE:足音

263良太:おま…!
264美扇:ふんっ、おととい来やがれってのよ!
265良太:お前、どうして!
266美扇:何よ
267良太:俺をかばって、あんなことして…!タダじゃすまねえぞ!もしやり返しにきたらどうすんだよ!
268美扇:そんなの関係ないわ。
269良太:関係ないって…!
270美扇:あいつら!アタシの旅館に傷をつけたのよ!?理由はどうであれ、絶対許さないんだから!
271良太:…旅館…?
272美扇:玄関の戸よ!玄関!ああ、ひどいわ、バッキバキじゃない!もお〜…
273良太:………
274美扇:どうしたのよ、そんな素っ頓狂な顔して
275良太:さっき、あいつらに、「この子は渡さない」っていってたよな。あれ、どういうことだよ
276美扇:どうって…アンタ。金が必要なんだろう?だからよ
277良太:は?
278美扇:アンタみたいなまだ小さい子供が、あんな奴らに好き勝手されるのは気にくわないのよ。ここで働いて、さっさと金返して、手を切りな
279良太:なんで…?
280美扇:あ?
281良太:なんで、そこまでできるんだよ!?見ず知らずの俺なんかに…
282美扇:子供が困ってたら、大人が助ける!当たり前のことだろう?
283良太:…冗談じゃねえよ!?言ったろ!?俺はそういう同情が一番嫌いなんだよ!
284美扇:同情とか同情じゃないとか関係ないでしょう!いいから子供は大人に甘えときなさい!
285良太:あまっ…!?(間)
286美扇:…(良太を見据えて)
287良太:は、はあ…!?…はあ〜っ!?ほんと、あー………俺、お前嫌い!
288美扇:はぁ?
289良太:大嫌いだ、お前みたいなやつ!
290美扇:なによ。どういうことよ。

SE:良太、涙が溢れ出てきて

291良太:……嫌いだ…!…大嫌いだ、お前!
292美扇:……
293良太:(泣きつつ)
294美扇:…アンタ、腹は減ってないかい?
295良太:…減っ、てる、に、決まってんだろ!もう、まともな食事、何ヶ月も食ってねえん、だよ!
296美扇:そうかい。じゃあ、食べようか


297美扇:丘マ


298良太(ナレーション):結果的に言えば、こいつの料理は見た目だけで、さほど美味くはなかった。言ってしまえば、俺の方が上手く作れる気がする。
でも、久しぶりのあったかい飯に感動してしまって、不覚にも俺は、また少し泣いてしまった。
あいつはそんな俺を見て、不細工な顔だと笑った後に、「明日も、アタシ特製のご飯を作ってあげる」と言ってきた。
冗談じゃないと思ったが、言い返す気力と体力はなかったので、その日はそのまま旅館で寝てしまった。

299良太:(寝息)
300美扇:あら、コタツで寝ちゃったのね。ったく、風邪ひくわよ?って…アラ。寝顔は可愛いのね
301良太:んん…
302美扇:さっきまでのしかめっ面が嘘みたいね。…さて、アタシは残ってる仕事を片づけるとしましょうかね!

303良太(ナレーション):…これから、騒がしくて、目まぐるしい旅館での日々がはじまるのを、今の俺はまだ知らない。



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第壱話 おしまい


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